札幌の花とカラーのサロン アトリエ FLORET R
フローラルカラーセラピスト森理恵です。
当ブログのご訪問ありがとうございます。

「どうして今の仕事を始めたのですか?」と続けて聞かれたことをきっかけに
今までの花人生を振り返り、過去からの経緯をご紹介している『花との歩み』です。
振り返ると30年近く…色んなことがありました。
どうぞ、ご一読下さい。

早いもので、これで【24】となりました。
これより前の投稿は、花との歩み ←こちらからご覧下さい。

前回【23】は、http://floret-r.com/2017/11/08/ayumi-23/です。

北一硝子三号館

北一硝子は、それぞれの売り場でテーマがあり、
品物のグレードも日常使いのリーズナブルなものから、
贈答品にも選ばれる高級なものまで幅広い展開です。

下記サイトを参照下さい。多種多様なイメージごとに売り場が分かれています。
http://www.kitaichiglass.co.jp/shopindex.html

当時、三号館の2階の和のギャラ―の店舗内で花生けをしていました。
出来上がったお花を社員さんが、1階と2階のあちらこちらにランダムに置きます。
和の花あしらいもあれば、洋風のアレンジメントも手がけました。
その他にも、堺町通りに面したウィンドーディスプレイのコーディネートすることもありました。

季節の行事を器と花で愉しむ設えのご提案です。
『花と色彩で創る素敵な暮らしの提案』という
アトリエ FLORET Rのコンセプトの原点がここにあります。

ベネチア美術館

北一硝子から徒歩2分の場所にあるベネチア美術館での花生けも担当していました。

ヴェネチアのグラッシィ宮殿をモデルにした5階建ての建物の2,3,5階が展示室で、
ヴェネツィアの18世紀頃の宮殿の部屋を再現し、四季ごとの貴族の優雅な生活様式を紹介しています。
BGMにはヴィバルディの四季が流れていたことを思い出します。

1階にはベネチアンガラスのショップがあり、
高級な商品(1万円前後のアクセサリーから百万円超えのシャンデリアやオブジェ等)を取り扱っています。

当然、そのベネチアンガラスの小瓶や花瓶に、
お花を生ける訳ですが、それはそれは肝を冷やす作業でした。

と言うのも、ベネチアンガラスは薄くてレースのように繊細な作りです。
隣同士の小瓶が不用意にぶつかっただけで、割れる、欠ける恐れありありです。

シャンパングラスやワイングラスなどは脚が細いので
倒したりしたら、一発でパリン!といってしまう代物です。

しかも、高さ5センチ程の小瓶が20,000円前後。
当然、それよりも大きなものになるとお値段も張ります!!

お花を生けることのドキドキよりも、
商品管理の緊張感の方が大きかった訳です。

脚の長いグラス類の転倒防止のために、
100円ショップのプラスチックのメッシュのカゴに荷作り紐を渡して遊びが出ないようにし、
足元にタオルを詰めてグラつかないように工夫をしました。

小瓶も倒れない様に細かく仕切られた箱に入れた状態でお花を生けました。
最後のチェックの時に出して、全体を見ながら調整と仕上げをしました。

そんな風に細心の注意を払っていても、
ふとした時に器同士が触れてしまい、欠けてしまったこともありました。

これは、私だけではなく先生方も皆通った道…経験者でした。
分かるだけに気の毒すぎる気持ちで一杯になりながら、降りかかった災難を横目に
内心、自分じゃなくて良かったと安堵する気持ちが無かったと言えば嘘になります。

安かろうが高かろうが、商品を破損させてしまったとなれば顔面蒼白。
とにかく平謝りするしかありません。

「大丈夫だから。でも、今後は、しっかりと気をつけてね!」と言われると、益々自責の念に駆られます。
破損させる前にタイムスリップしてやり直したいと切望しました。

大先生が、社員さんに報告して平謝りして下さるのは本当に心苦しいばかりでした。
いっそのこと、全額弁償させてもらえた方が気持的には楽なのですが、そんな事にはしてもらえません。

ちなみに、私が破損させたのはただ1度きりでした。
でも、そうそうあることではないにしても、
他の誰かが破損させても、同じような気持ちになるものでした。

この様な体験から、より一層気持ちを引き締めて、
危険予測をしっかりとし、念には念を入れる癖がつきました。
転ばぬ先の杖は大切なのです。

しかし、心配ばかりしていても何も出来ないでしょうし、
落ち込んだままでいるのも周りの先生方にもご迷惑です。

かといって、反省の色が無いほど明るく振る舞う訳にもいきません。
何ごともバランス、頃合いを見るということを学びました。

つづく。

花との歩み25 お昼休みの楽しみと学び