今から30年近く前のことになります。
初めてお花を習った時のことから、仕事になるまで、仕事にするまでのエピソードを綴っています。
こちらはその③です。
これより前の投稿は、花との歩み ←こちらからご覧ください。
衝撃のお手ほどき(菊地理恵の時代)
待つこと30分…先生と席を変わり、初めて生けた作品を見ていただく時が来ました。
先生は、ジーーーーッと見て、
次の瞬間、
何も言わず一本残らず抜きました!
そして、枝や花をチャチャっと切って、ササッと生け替えました。
「はい。これを全部ばらして、これと同じに生けなさい。」
そう言うと、また他の生徒さんの所へ行ってしまいました。
初めてのこととは言え、
出来てないとは言え、
何も言わず全部抜かれるというのは衝撃的でした。
ビックリしました!!!
心の中では、え゛え゛え゛え゛ーーーーーーーーっっっ!!!!とおののき、
正しくフリーズ状態だったと記憶しています。
100点満点のテストで0点を取ったような気持ちになりました。
自分なりに考えて、工夫したつもりだったのですが、どこにも触れてもらえず…
言ってみれば、それは、全否定とも取れました。
若かりし私は、正直内心凹みました。
しかし、今ならその意味も分かります。
形通りに生けるということは、長さや角度が違えば、それは間違いなのです。
アホ毛の1本たりとも許されません!(笑)。
でも、どこか1つでも良い所を見つけてもらえたら…そんな風に思うのは甘かったのです。
何故ならば、形通りに生ける生け花は100か0の世界なのです。
勿論、基礎の花形が出来るようになり、
応用が出来るようになり、
自由花を生けられるようになれば、
それぞれの個性や感性が活かされるのですが、まだまだその段階ではなかったというだけのことなのです。
それにしても、初めてのお手ほどきは、生涯忘れられないほどの衝撃でした。
つづく。
お手ほどきとは?
「手ほどき」とは、 初めて学ぶ者に学芸などの初歩を教える事。
初心者に対して、ヒモや帯を解くように丁寧に実地指導をする時に使う言葉。